神奈川県総合リハビリテーションセンター

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法人概要

事業報告

1 福祉事業(平成29年度)

七沢学園(福祉型障害児入所施設・障害者支援施設)

七沢学園は、知的障害児を対象にした福祉型障害児入所施設と、成人を対象とした障害者支援施設との複合施設である。
福祉型障害児入所施設では、虐待やその傾向にあるケースと自閉症など広汎性発達障害やADHD(注意欠陥多動性障害)等を伴うケースの利用が依然として際立っている。
平成29年度の利用者数は、入所が 13人、退所が13人、一日平均入所者数は28.2人で、一日平均入所率は94.1%であった。
また、虐待等の措置入所のほか、短期間(1ヵ月~6ヵ月)の施設入所を通して、ADLの評価や改善、集団生活での行動観察や評価、家族のレスパイト等の課題を絞り込んで利用して「集中療育」を実施しており、平成29年度は入所定員30名のうち2名枠を設けて、利用者実人数は7名であった。

障害者支援施設の施設入所支援の利用状況は、入所が8人、退所が8人、一日平均入所者数は29.0人で、一日平均入所率は96.8%であった。
日中活動支援の生活介護においては、強度行動障害者や医療ケアーを必要とする利用者の健康維持を基本に機能や発達レベルに応じ機能維持訓練や軽作業、歩行訓練も行っており、一日平均利用者数は19.9人、一日平均利用率は104.8%であった。
自立訓練(生活訓練)においては、利用者各々に合った個別作業を主とした支援を行っており、一日平均利用者数は15.0人、一日平均利用率は88.5%であった。
地域福祉支援事業では、電話や来園による相談支援を延べ1,912人、知的障害児通所機関巡回指導を131回実施した。

児童施設・成人施設ともに実施している短期入所事業では、家族の休養だけでなく、冠婚葬祭や疾病・出産の緊急対応、不登校・引きこもり対応などの社会的理由、また社会性拡大を目的とした施設体験などの支援も行なった。
児童利用者実人数296人、延べ人数785人、成人利用者実人数298人、延べ人数948人の合計延べ人数1,733人を受け入れた。その他、児童福祉法第33条に基づく緊急一時保護による入所の受入れは実人数16人、延べ人数229人であった。
なお、地域の知的障害者やグループホーム等へ地域移行した退所者及び短期入所のうち生活介護の受給者証を所持する者を対象として日中活動支援(通所訓練)を提供した。実人数42人、延べ人数583人を受け入れた。

七沢療育園(医療型障害児入所施設・障害者支援施設)

七沢療育園では重度の知的障害と肢体不自由を併せ持つ重症の心身障害児(者)に医療の提供と機能回復のための療育及び日常生活助言・援助を行い、障害の軽減と家庭での介護支援に努めてきた。
平成29年度の入所事業は142人の利用者を受入れ、143人が退所した。また、一日平均入所者数は35.8人で、一日平均入所率は91.7%であった。
地域福祉支援事業では、「在宅重症心身障害児(者)療育訪問指導事業」を33回、延べ33人に実施した。また、特に施設機能を利用する必要のある児(者)と保護者の療育支援を行う「重心親子教室」については1回、延べ6人に実施した。
短期入所事業は、在宅の重症心身障害児(者)の家族等の疾病、出産、休養などの理由で実人数193人、延べ1,093人が利用した。
なお、前年度と同様に密度の高い医療体制を維持し、超・準超重症心身障害児(者)42人を継続して受入れた。

七沢自立支援ホーム(障害者支援施設)

七沢自立支援ホームは、肢体不自由者及び中途視覚障害者の支援施設として一体的に運営している。
肢体不自由者については、神奈川リハビリテーション病院(以下「神奈川リハ病院」という。)と連携して、身体機能の回復・改善、職業能力・社会生活力の向上に必要な支援を行い、社会参加、家庭復帰が円滑に行えるように努めた。
平成29年度の施設入所支援の利用者数は、入所が36人、退所が30人、一日平均入所者数36.5人で、一日平均入所率は91.3%、また、日中活動支援の自立訓練(機能訓練)は一日平均利用者数が36.3人、一日平均利用率は86.3%であった。
一方、中途視覚障害者に対しては、社会生活力の向上を目指して、歩行能力の回復、点字の読み書き習得、情報機器の活用、身辺管理・家事動作技術の習得、ロービジョン評価・訓練、視覚障害者スポーツなど地域での在宅生活に向けての支援を行った。
平成29年度の施設入所支援の利用者数は、入所が10人、退所が11人、一日平均入所者数7.0人で、一日平均入所率は69.8%、また日中活動支援の自立訓練(機能訓練)は一日平均利用者数が10.5人、一日平均利用率は58.2%であった。

七沢自立支援ホーム全体では、施設入所支援の一日平均入所者数は43.5人で、一日平均入所率は87.0%、日中支援活動(自立訓練)の一日平均利用者数は46.7人で、一日平均利用率は77.9%であった。

地域福祉支援事業では地域における障害者や退所後の利用者等に通所訓練を実施し、職場復帰に向けた支援、家庭復帰後の生活の質の向上及び社会生活に向けた支援等を提供した。
更に視覚障害者に対しては訪問訓練を実施し、平成29年度は延べ利用者数12人に提供した。
また、短期入所事業では、在宅の肢体不自由者、視覚障害者を中心に家族等の疾病、休養などの理由で短期的に利用する者等で実人数77人、延べ401人の受入れを行った。
その他に受託評価事業では、肢体不自由児(者)を対象とし、支援学校(支援学級)在学者の進路指導や施設利用者の生活自立支援に資するため、神奈川リハ病院と連携して、医学・心理・職能・社会生活等の評価を行っており、平成29年度の利用者数は実人数12人、延べ50人であった。
また、県内の盲学校等に在籍する視覚障害児(者)を対象に神奈川リハ病院眼科と連携し、視機能・触察能力・日常生活動作・コミュニケーション能力等の評価を行う受託評価事業の利用者数は、実人数1人、延べ5人であった。

補装具製作では、補装具製作所として神奈川県の指定を受け、神奈川リハ病院と連携して、施設利用者や外来患者等の義肢・装具など59件の補装具製作及び修理を行った。

2 病院事業(平成29年度)

神奈川リハビリテーション病院(略称「神奈川リハ病院」)

平成29年3月末に神奈川リハビリテーション病院と七沢リハビリテーション病院脳血管センターが統合し、平成29年12月に新病院棟で運営が開始された。
病棟数は1つ増えて、東館(身障者病棟)と合わせて7病棟での運用になった。
収益確保に当たっては、平成29年11月1日から8A病棟(移転後は5B病棟)において、平成30年1月1日から4A病棟において回復期リハビリテーション病棟入院料Ⅰの算定を開始した。
また、病院内にリハビリテーションロボットに関する専門的な相談に対応する「かながわリハビリロボットクリニック(KRRC)」を設置し、リハビリテーションロボットの全般的な相談を受けるほか、さがみロボット産業特区の実証実験の調整、さらには筋電義手の普及に取り組んでいる。

今後も、脊髄損傷、脳外傷、骨・関節疾患、神経疾患等に対して、リハビリテーション医療(診断、評価、治療、看護、リハビリテーション訓練等)を提供し、患者の早期社会復帰を図っていく。
平成29年度の入院患者数は、延92,726人(実入院患者数1,239人)で、一日平均の入院患者数は254.0人(一日平均入院率90.7%)であった。
入院審査件数は909人で、そのうち承認されたのは818人(90.0%)であった。
退院患者数は、1,239人で、家庭復帰が1,073人(86.6%)と最も多く、次いで施設入所86人(6.9%)、転院75人(6.1%)、死亡5人(0.4%)となっている。
外来患者数は、延61,898人(一日平均211.3人)で、内訳は、初診が3,816人で再診が58,082人であった。

3 リハビリテーション研究事業(平成29年度)

高齢者・障害者等への総合リハビリテーションサービスの向上と自立促進を目的に、リハビリテーションに関する調査、研究・開発、情報提供サービス事業を行っている。

リハビリテーションに関する調査、研究・開発について

リハビリテーションに関する調査、研究・開発については、1)障害発生の原因の解明とそれに基づく予防対策の確立、2)障害発生の除去、修復メカニズムの解明、3)障害者の自立促進のための研究の3つの基本理念をもとに、医療と福祉を一体的に運営しているという特徴を生かし医学的、工学的、社会福祉学的領域において調査、研究・開発を行ない医療・福祉の向上に向け取り組んだ。
研究は、6つのプロジェクト、16のテーマ(表1 参照)の中で、1)障害児者におけるリハビリテーションアプローチに関する研究、2)障害児者に関する計測的・工学的研究、3)障害児者の生活の質に関する研究の3分野を重点に調査、研究・開発を行った。
研究の主な対象は、神奈川リハ病院では、①骨関節疾患(変形性股関節疾患)、②脊髄損傷及び脊髄疾患、③神経難病(小児てんかんや知的発達障害も含む)、④高次脳機能障害では、主に脳血管障害(脳出血、脳軟化、くも膜下出血など)、福祉部門では、①強度行動障害児者、②ロービジョン障害者となっている。

開発は、チェアスキー (ソチモデル市販モデル)を製作した。(表1)「5-1障害者スポーツと機器に関する研究」

(1)研究テーマ(表1)
プロジェクト 研究実施部門
1.障害児者におけるリハビリテーションアプローチに関する研究 (過齢、脳卒中、脊髄損傷、脳外傷、先天性疾患などによる各種障害に対するリハビリテーション的アプローチに関する基礎的・臨床的研究)
1-3 1-1ロービジョンサービスシステムの研究 神奈川リハ病院診療部
七沢自立支援ホーム
研究部リハ工学研究室
1-2障害者に対するいろいろなスヌーズレンの提供の方法 七沢学園
1-3脊髄損傷者の経皮的酸素飽和度と呼気終末炭素ガス濃度の調査 神奈川リハ病院看護部
神奈川リハ病院診療部
2.障害児者に関する計測的・工学的研究
(物理学的手法を用いての身体機能の評価や治療法に関する研究)
2-1機能的磁気共鳴画像法による視覚認知障害評価の開発 神奈川リハ病院診療部
東京慈恵医科大学
国立リハセンター
2-2障害者高齢者の動作解析手法に関する研究 研究部リハ工学研究室
神奈川リハ病院診療部
神奈川リハ病院リハ部
2-3大腿義足における膝継手選択基準に関する研究 研究部リハ工学研究室
神奈川リハ病院診療部
神奈川リハ病院リハ部
2-4動作時における腹部筋の機能分析 神奈川リハ病院診療部
神奈川リハ病院リハ部
茅ヶ崎リハ専門学校
3.障害児者に関する計測的・工学的研究
(物理学的手法を用いての身体機能の評価や治療法に関する研究)
3-1障害児者の姿勢保持装置の研究開発 研究部リハ工学研究室
神奈川リハ病院リハ部
3-2障害児者の移動機器の研究・開発 研究部リハ工学研究室
神奈川リハ病院リハ部
3-3 腰痛予防を目的とした移乗方法の研究 研究部リハ工学研究室
神奈川リハ病院診療部
神奈川リハ病院リハ部
3-4足駆動による短距離移動が容易な椅子の開発 研究部リハ工学研究室
佐賀大学医学部
株式会社岡村製作所
4.福祉機器の開発及び評価支援システムに関する研究
(四肢重度障害者・高齢者・高次機能障害者・知的障害者・視覚聴覚障害者に対する機器の研究開発及び福祉機器の研究開発支 援に関する研究)
4-1下肢駆動を用いた移動機器に関する研究 研究部リハ工学研究室
神奈川リハ病院診療部
神奈川リハ病院リハ部
4-2支援技術が生活・活動に与える影響 研究部リハ工学研究室
神奈川リハ病院診療部
神奈川リハ病院リハ部
4-3褥瘡予防具の調査・研究 研究部リハ工学研究室
神奈川リハ病院診療部
神奈川リハ病院看護部
神奈川リハ病院リハ部
5.障害児者の生活の質に関する研究
高齢者・障害者が、社会で心豊かに生活することを可能とする研究開発
5-1障害者スポーツと機器に関する研究 研究部リハ工学研究室
神奈川リハ病院診療部
神奈川リハ病院リハ部
6.ロボットによる支援リハビリテーションアプローチの研究
6-1ロボットスーツHALによる歩行能力改善効果 神奈川リハ病院リハ部

情報提供サービスについて

区分 主な事業
医学・研究等の撮影業務 静止画(事務作業支援含む)322件
動画(編集含む)50件
図書業務 文献複写支援件数 82件
雑誌購入件数 90タイトル 1,143件
貯蔵図書の管理業務(平成30年3月末時点) 3,917冊
再整備事業に係る廃棄図書(七沢病院分含む)29,279冊
再整備事業に係る移動式書庫の移設及び改修作業 -
研究・研修事業 神奈川県総合リハビリテーションセンター研究発表会  開催
神奈川県総合リハビリテーションセンター紀要第42号 発行
その他 研修などのポスター作製の支援(プリンター利用の開放)

神奈川県総合リハビリテーションセンター研究発表会の実施状況

開催回数(通算)
41回目
日時
平成30年2月1日 15:30~19:00
場所
神奈川リハビリテーション病院 3階研修室 97名参加
発表会内容
  • Ⅰ パネルディスカッション
    テーマ 「筋電義手~めがねのような認知を目指して~」

    <座長>神奈川リハ病院 診療部長 横山 修

    <パネリスト>
    「筋電義手の動向とリハビリテーション」
    リハ部作業療法科 對間 泰雄

    「筋電義手の適合と課題」
    リハ部リハ工学科 丸田 耕平

    「手外科、末梢神経外科の観点から見た筋電義手の可能性」
    東海大学医学部医学科外科学系整形外科学 高木 岳彦 先生

    「個人の適応に対する学習機能を持った筋電義手について」
    横浜国立大学大学院工学研究院准教授    加藤 龍 先生

  • Ⅱ 一般演題 計12題
    (一般演題Ⅰ 4台,一般演題Ⅱ 4台, 二施設合同研究発表受賞演題 4台)

  • Ⅲ ポスター発表  計2題

4 地域リハビリテーション支援センター(平成29年度)

地域リハビリテーション支援センターは、地域における障害者・高齢者等へ適切なリハビリテーションサービスを円滑に提供するための業務を全県的な立場で行っている。地域支援室では、リハビリテーション専門研修、地域リハビリテーション支援に関連する活動、県委託事業である神奈川県リハビリテーション支援センター事業を行っている。
県委託事業に関してはリハビリテーション情報の提供、人材育成、関係機関の連携を推進する業務を行っている。
また、高次脳機能障害支援室では「高次脳機能障害支援普及事業(国事業)」の神奈川県内の支援拠点機関として支援コーディネーターと心理判定員が配置されており、高次脳機能障害者への相談支援、普及啓発活動、研修事業等を行っている。

(1) リハビリテーション専門研修 

医療・保健・福祉・介護専門職を対象とした研修で、二つの県委託事業を除き平成29年度は20コースを実施し、受講者の総数は延623名であった。
今年度は新たに「セラピストのためのハンドリング入門」、「脳血管障害の評価と治療」、「からだにやさしいポジショニング入門」を開催した。
また、「義肢装具セミナー~義手編~」はKRRCと共同開催した。
研修アンケートは4段階評価を実施し、平均は3.87点であった。下記の表は、県からの委託事業による研修を除いた集計である。

H29支援C事業報告用

5 厚木看護専門学校事業(平成29年度)

昭和43年4月に厚木准看護婦学校として開校以来、50年が経過し、「人間らしく共に生きるために」という社会福祉の理念に基づき、ヒューマニズムの精神を建学の理念として、神奈川県と神奈川県医師会との連携のもとに、看護職員の育成を図ってきた。
また、地域の医療機関に勤務する者に、看護師の資格を取得させるために、進学の道を開き、一貫した看護教育を実施している。
平成29年度は、看護第一学科(第36回生)84人、看護第二学科(第46回生)26人が入学、3月には、看護第一学科(第34回生)78人、看護第二学科(第44回生)43人が卒業し、開校以来3,939人の卒業生を送り出している。
また、医療専門課程の看護第一学科・看護第二学科の本年3月の卒業生121人に対して「専門士(医療専門課程)」の称号を付与した。また、2月に実施された看護師国家試験に120人が合格した。
なお、平成29年度卒業生の就職及び進学状況は、看護第一学科は県内病院への就職75人、県外病院への就職0人、助産師課程への進学2人、その他1人、看護第二学科は県内病院への就職40人、県外病院への就職1人、大学への編入学1人、その他0人である。
平成30年度の学生の応募状況は、看護第一学科(定員80人)188人、看護第二学科(定員40人)46人で、倍率は看護第一学科が2.4倍、看護第二学科が1.2倍となっている。
平成30年4月には、看護第一学科(第37回生)84人、看護第二学科(第47回生)30人、計114人が入学した。

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